[number-0000006] 作品名:天地無音而光在 (てんちむおんにしてひかりあり) サイズ:F6 価格:¥240,000

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作品イメージ

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作品の世界観

作品名:天地無音而光在 (てんちむおんにしてひかりあり)

作者:MADARA

天地は語らず、音も発さない。
しかし、その無音の中にこそ、確かな光が息づいている。
この作品「天地無音而光在」は、沈黙と存在のあわい、
「有る」と「無い」の境界にある“気配のような存在”に宿る「光の真理」を表現したものである。
金箔で覆われたキャンバスは、単なる装飾ではなく、世界の静寂そのものを映す鏡として機能する。
光は常にそこに在りながら、目に見えるものではない。
それは祈りや呼吸のように、感じる者の内側で初めて姿をあらわす。

墨で書かれた文字は、筆跡術の想いと願いによって生まれる。
筆跡術とは、ただ字を美しく書く技ではなく、「未来への祈り」を描くための行である。
筆を通じて流れるのは技法ではなく、心の律動、生命の祈りである。
この作品もまた、静寂の中で一息に書き上げられた。
筆を置く瞬間、心と世界の境界がほどけ、天地の沈黙が筆先を導く。
そのとき墨は、単なる黒ではなく、光を映す影となる。

金箔の面は、無限の空を象徴する。
そこに墨を重ねる行為は、「無音の中に音を聴く」「無の中に在を見出す」ための祈りに等しい。
筆線は一見力強く見えるが、その奥には深い静けさが流れている。
光は沈黙のうちに生まれ、沈黙は光を抱いている。
それは、音と光、時間と空間、死と生――すべての二項が溶け合う一点である。

作品に記された「天地無音而光在」という句は、
人間の感覚を超えた「存在の確かさ」を示している。
天と地が沈黙しても、世界は絶えず輝いている。
それは言葉を超えた希望であり、祈りであり、
人が生きるうえでの最も根源的な「在ること」への感謝である。

金の輝きは永遠を、墨の黒は瞬間を象徴する。
この二つが同じ面に共存することで、
見る者の内に「静けさの中の光」が呼び起こされる。
それは外へ向かう光ではなく、
心の奥底でそっと燃え続ける内なる光。
その光こそが、天地の沈黙を照らし、
人間という存在を、再び生の中心へと導くのである。

制作秘話

天地無音而光在の制作にあたり

この作品は、ウッドキャンバスに下地材を塗り、そこにニカワ(膠)を用いて一枚ずつ金箔を貼り上げていった。
金箔は極めて繊細で、わずかな息使いや振動にも反応、ゆらめく。
そのため、作業は静寂と集中の中で行われる。
一枚一枚の金箔を貼り終えるたびに、私は光の流れを見つめ、
金が沈黙するのを待った。

金が静を受け入れるのをまった後、そこへ置き、箔押しをする。
そして、箔が落ち着くのを待った後、墨を調合する。
金箔の上では墨が弾かれやすいため、墨汁にメディウムを少量加え、
防水性を持たせた「特別な墨」をつくる。
配合量を見極める事で、筆の走り方が変わる。
それはまるで祈りのような工程である。

金の上に書くという行為は、容易ではない。
筆が強すぎれば金を破り、弱すぎれば線に命が宿らない。
その狭間、緊張と解放、制御と委ねのあわいで、初めて生きた線が生まれる。

この一連の作業は、単なる技術ではなく、心での会話であり、祈りの儀式でもある。
木、下地、膠、金、墨それぞれの層が、地と人と魂の対話を重ねていく。
最後の筆を置いたとき、金はふたたび輝きを放ちはじめ、
まるで「沈黙そのもの」が光として刻まれたかのようだった。

漢字の意味

天地無音而光在 ― 各字の意味と象徴

天(てん)

意味: 空、高み、宇宙、神性、根源の存在。
象徴:
「天」はあらゆるものの始まり。
人知を超えた領域であり、祈りが向かう場所。
この句では、「見えないが確かに在る大いなる存在」を表します。

地(ち)

意味: 大地、物質、生命の基盤、現実世界。
象徴:
「地」は人が立つ場であり、現実の支え。
「天」と対をなし、上と下、精神と物質の調和を示します。

無(む)

意味: 無い、虚、空、形なきもの。
象徴:
「無」は、仏教的には「空(くう)」であり、すべての可能性の源。
形がないからこそ、あらゆる形を生み出す。

音(おん)

意味: 音、響き、声、波動、生命のリズム。
象徴:
「音」は命の振動、存在の証。
ここで「無音」とすることで、「音さえ超えた深い静寂」を示します。

而(じ・にして)

意味: そして、しかも、対比・転換を表す接続詞。
象徴:
「而」は「対立するものをつなぐ橋」。
天と地、無と有、静と光を結ぶ「道(タオ)」のような存在。

光(こう)

意味: 光、輝き、悟り、生命の源。
象徴:
「光」は知・魂・祈り・真理の象徴。
「無音」の中に在る光は、外に向かう光ではなく「内なる照明」。

在(ざい・ある)

意味: 在る、存在する、宿る、確かにある。
象徴:
「在」は存在そのもの。
ここでは「光が在る」ことで、「沈黙の中にも生命がある」という真理を示します。

詳細情報

項目内容
作品ベースウッドキャンパス
メイン素材木材、金箔
サイズF6 12.5in(318mm) × 16.1in(410mm)×0.75in(19mm)
使用画材墨汁、メディウム
作品の仕上げ木製キャンパスの上に、ジェッソで下地処理をし、金箔を膠(nikawa)で貼り、墨汁にメディウムを入れた、混合墨汁で描き、表面をバーニッシュで保護仕上げています。
国内外配送対応について・海外出荷対応可能:運送会社に指定が無ければFedExにて出荷
・日本国内の配送:運送会社に指定が無ければヤマト運輸にて出荷
出荷時の梱包について簡易包装や重包装など、ご要望に応じた梱包も対応させていただきますので、詳しくはお問い合わせください。
送料についてアート作品対応運輸を使う、保険をかけるなど、購入者と要相談のうえ決定します。
作品の補償について作品は、販売時の状態そのままでのお引き渡しとなります。美術品保険等のご希望がありましたら、ご相談も承ります。
お支払の方法作品価格+保険料(オプション)+送料が、お支払価格となります。お支払はカード決済がご利用いただけます。

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