作品イメージ
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作品の世界観
作者:MADARA
深い静寂の中に、ひとすじの光が生まれる。
それは炎のように揺らめきながらも、燃え尽きることのない「永遠の光」。
外の喧騒を離れ、心の底にある静けさに耳を澄ますとき、
その光は確かに私たちの内側にも存在していることに気づく。
「光」は、見る者の心の奥に眠る記憶を呼び覚ます。
それは、痛みや祈り、失われた日々、そして再び立ち上がる生命の瞬き。
筆が走るたびに、静寂の中から金の粒子が浮かび上がり、
まるで魂の呼吸のように揺れ動く。
この光は、熱をもたない炎。
しかし、確かに燃えている。
それは怒りでも歓喜でもなく、「存在そのもの」の熱。
沈黙の中で息づく命の証であり、
人が生きるという行為の原点を照らす微かな輝きである。
深緑の和紙は、大地の記憶を宿している。
そこに金墨が触れた瞬間、自然と祈りが交わる。
光と静けさ、時間と呼吸、生命と沈黙。
そのすべてが一筆の中でひとつに融け合うとき、
世界はわずかに震え、そして新たな光が生まれる。


制作秘話
この作品の制作は、技術的にも精神的にも緊張を要する工程だった。
使用した和紙は、麻を主原料とした手漉き和紙。
一般的な紙よりも繊維が荒く、糊が浅い仕上がりの和紙で、繊維の絡みもあまい。
そのため水を含ませると瞬時に柔らかくなり、
わずかな力でも裂けてしまうほど繊細だった。
それでも私は、この紙でなければ出せない「自然な質感」にこだわった。
水貼りの際には、指先の感覚を頼りに、少しずつ張りを調整していった。
一度でも均衡を崩せば、紙は波打ち、二度と戻らない。
緊張の連続の中で、ようやく紙が木のキャンバスと一体になった瞬間、
まるで待っていたかのように面が美しく表に現れた。
十分感想をした後、その上に金墨をたっぷりと含ませた筆を置いた。
金墨は墨汁とは違い重く、のびが無い。
筆を走らせる角度や速さによって、光の粒が乱反射し、
炎のようにも、風のようにも見える。
私はその不確実さを恐れず、むしろ「生きている光」として表現したかった。
筆が紙を離れたあと、
光は乾くにつれ、見る角度ごとに表情を変えていく。
朝の光では淡く、夜の灯では深く。
静寂の中に燃えるような光を、そのまま留めることはできない。
だからこそ、一瞬の中に永遠を刻むように、
私は祈るように筆を運んだ。
漢字の意味
形の成り立ち
「光」は、古代の甲骨文では「人が火を掲げている形」として描かれました。
つまり、闇を照らすために火を持つ人の姿が原型です。
その後、篆書・隷書の時代を経て、現代の「光」という形に整えられました。
部首「儿(にんにょう)」は「人」を、
上部の「兀(こつ)」や「火」に似た部分は「光を発する炎や輝き」を表しています。
すなわち、「光」とは人と火の関わりによって生まれる明るさを意味する文字です。
意味
- 物理的な明るさ
太陽・月・火・星など、自然界に存在する光の輝きを指します。 - 精神的な明るさ・悟り
心の闇を照らす「智慧」「真理」「覚醒」の象徴。
仏教では「仏の光明」、キリスト教では「神の光」として、共通する象徴性を持ちます。 - 生命・希望の象徴
人が生きるうえでの導き、内なる力、愛や祈りの表現にも使われます。
「光を得る」「光に満ちる」といった言葉には、
存在そのものが輝きを放つという意味が込められています。
書道的解釈
書道において「光」は、
線の流れや間(ま)を通して「静と動」「陰と陽」の調和を表す字です。
一筆ごとに光の方向が変わり、同じ字でも書く人によってまったく異なる輝きを放ちます。
特に金墨で表現する場合、
「光」は単なる視覚的な輝きではなく、
「魂が放つ内なる光」として捉えられます。
それは、沈黙の中で燃える生命、祈りの呼吸そのものです。
詳細情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品ベース | ウッドキャンパス |
| メイン素材 | 木材、和紙 |
| サイズ | F15 25.7in(652mm) × 20.9in(530mm)×0.98in(25mm) |
| 使用画材 | 墨汁 |
| 作品の仕上げ | 木製キャンパスの上に、ジェッソで下地処理をし、書道紙(和紙)を貼り、墨汁で描き、仕上げています。 |
| 国内外配送対応について | ・海外出荷対応可能:運送会社に指定が無ければFedExにて出荷 ・日本国内の配送:運送会社に指定が無ければヤマト運輸にて出荷 |
| 出荷時の梱包について | 簡易包装や重包装など、ご要望に応じた梱包も対応させていただきますので、詳しくはお問い合わせください。 |
| 送料について | アート作品対応運輸を使う、保険をかけるなど、購入者と要相談のうえ決定します。 |
| 作品の補償について | 作品は、販売時の状態そのままでのお引き渡しとなります。美術品保険等のご希望がありましたら、ご相談も承ります。 |
| お支払の方法 | 作品価格+保険料(オプション)+送料が、お支払価格となります。お支払はカード決済がご利用いただけます。 |

作品証明書が付属します。

