[number-0000012] 作品名:禅 ”Zen” サイズ:F20 価格:¥40,0000

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作品イメージ

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作品の世界観

作者:MADARA

禅とは、人としての道標

作品「禅」は、外の世界のざわめきから意識を切り離し、人の内側に本来備わっている静けさを見つめるための作品である。
画面に置かれた線は力強く、しかし一点に向かう緊張を保ち、余白は思考の雑音をそぎ落とす“空”として広がる。
この相反する要素が拮抗することで、観る者の意識は自然と中心へと導かれ、心の奥底にある静かな領域へと触れていく。

主線の直立は、迷いを断つ決断の瞬間を象徴し、揺るぎのない精神の柱として画面に立ち続ける。
その周囲に広がる横の余韻は、抗うのではなく受け入れるという成熟した静けさを表し、緊張と安定が一つの画面の中で均衡を保っている。
「禅」という字は、単なる文字の形ではなく、心の中心に立ち返るための象徴でもあり、観る者の内側に静寂の境地を呼び起こす。

筆跡術の特徴である、一筆ごとの意図の明確さ、余白への意識、そして一点への集中は、作品全体に凛とした気配を宿らせている。
この作品が提示するのは、何かを積み上げることよりも、削り落とすことの価値である。
思考を手放し、ただ在るという状態に身を置いたとき、人は初めて自分自身の内側にある輪郭を確かに感じることができる。

「禅」は、鑑賞する空間そのものを整える力を持ち、部屋に置かれることで、意識を静かに整える場をつくる。
それは視覚的な装飾ではなく、精神の奥に触れるための“場”をつくるアートであり、日々の喧騒の中で見失いがちな心の中心へと戻るための道標となるだろう。

制作秘話

作品「禅」の制作は、まずウッドキャンバスにジェッソを複数回塗り込む工程から始まった。
白いジェッソが光を静かに反射し、掌の動きに合わせて表面がなめらかに整えられていく。乾いた所から光が消え、マットな質感が表に出てくる。
この下地作りは単なる作業ではなく、心が静まるまでの“準備の儀式”のようでもあり、画面全体に落ち着いた空気が漂っている。

次に和紙を貼る工程では、大きな一枚の和紙が空気を含まぬよう慎重に伸ばし、
貼り終わった瞬間、画面全体が、風の止んだ水面の様に平面へと落ち着く。
カメラの前で、手元へ伝わる緊張感と静けさが対照的に映り、これから筆が入る“静かな舞台”が整ったことが感じられる。

墨を含ませる場面では、筆の毛先が墨壺の黒に沈み、その瞬間だけ周囲の音が消えたような、緊張の一拍が伝わる。
筆の持ち替えは武道の型のような動きになる。

書き始めの起筆は、最も緊張感のある瞬間。筆先がわずかに紙面へ触れ、そこから一気に力強く線を走らせる
筆が進むたびに、紙面がわずかに揺れ、墨が僅かに広がる様子を感じ、その線はまっすぐで、まるで“意思”があるかのように、形になって見える。

次の横の線では筆が緩やかに動き、支えるように、そして包み込むように、押し返さない柔らかい広がりが生まれていく。
その筆の動きは大きく、肩から腕、腕から筆先へと意識が一本につながっていく。

書き終えた直後、筆を離す瞬間の空気感には緊張感が走り、息を止めて筆を抜く。
落款を入れる時は慎重だが、この紅が入る事で、作品に命が宿るのだ。。

完成した「禅」がアトリエの光の中に佇む。
表面の墨の黒と和紙の柔らかさが美しく対比し、
その画面には、人の意識が静まる瞬間と張りつめた空気感を感じる作品となった。

漢字の意味

「禅」── 字体に宿る意味と構造

1. 形の構成

禅 = 礻(しめすへん)+ 単(たん)

■ 礻(示す・しめすへん)

神前に供物を捧げる祭壇を象った象形に由来する部首。
意味の根源は
・祈り
・精神性
・神聖さ
・儀礼
を示す。

書道において「しめすへん」は、筆の入りから払うまでの動きが“敬意”“落ち着き”“精神の中心軸”を象徴することが多い。

■ 単(たん)

本来は「まとまった一つ」「シンプル」「余計なものがない状態」を表す文字。
また、“集中した状態”や“ひとつの事柄に向かう心”を意味として含む。

禅に用いられる「単」は
・澄み切った状態
・一点に集まる意識
・不要を削ぐ
といった禅的精神と非常に相性が良い構造。

■ 字体として見た「禅」の象意

「禅」という字が持つ象意をまとめると、以下の三層に整理できる。

1. 精神性の象徴

「しめすへん」が含まれるため、
“祈り”“精神性”“静寂”“聖性”
を帯びた文字として古くから扱われてきた。

2. 一点集中・本質回帰

旁(つくり)の「単」が象徴する
“ひとつの核心に集中すること”
“余分を削ぎ落とした状態”
は、禅そのものの思想と一致する。

3. 書道における象徴的役割

書道で「禅」を書くとき、字体の形は次のような意味を帯びやすい。

  • 垂直線は「精神の柱」
  • 横の広がりは「受容・静寂」
  • 余白は「空・無・静けさ」
  • 起筆の勢いは「迷いを断つ瞬間」
  • 終筆の静まりは「内側へ戻る感覚」

つまり、この漢字は 線の一本一本が“精神の動きそのもの”になりやすい構造をしている

詳細情報

項目内容
作品ベースウッドキャンパス
メイン素材木材、和紙
サイズF20 28.6in(727mm) × 23.8in(606mm)×0.98in(25mm)
使用画材墨汁
作品の仕上げ木製キャンパスの上に、ジェッソで下地処理をし、書道紙(和紙)を貼り、墨汁で描き、仕上げています。
国内外配送対応について・海外出荷対応可能:運送会社に指定が無ければFedExにて出荷
・日本国内の配送:運送会社に指定が無ければヤマト運輸にて出荷
出荷時の梱包について簡易包装や重包装など、ご要望に応じた梱包も対応させていただきますので、詳しくはお問い合わせください。
送料についてアート作品対応運輸を使う、保険をかけるなど、購入者と要相談のうえ決定します。
作品の補償について作品は、販売時の状態そのままでのお引き渡しとなります。美術品保険等のご希望がありましたら、ご相談も承ります。
お支払の方法作品価格+保険料(オプション)+送料が、お支払価格となります。お支払はカード決済がご利用いただけます。

作品証明書が付属します。

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